◆当ウェッブ上で2002年6月24日〜9月24日の期間、連載させて頂いていた
『ひらきこもりのすすめ』が、単行本になりました。
『ひらきこもりのすすめ』
講談社現代新書
11月20日発売

 書き始めたのは2002年6月24日。実はその時点では、自分が何を書くつもりなのか、よくわかっていませんでした。ただ、何かとても重要な潮流の端緒が見えかけている気がして、とにかくキーを叩き始めたわけです。
 叩きながら、悩みながら、また読者とリアルタイムで議論しながら進めていくうちに、自分が抱えていた考えの本質が、そしてその答えが、さらにはそこから予見できる未来が、だんだんと明確になっていきました。
 そうしてちょうど3カ月目の9月24日に、論旨が一応の結論に達しました。
 そこから、その素材を本にする作業に取りかかりました。
 紙には紙の良さがあると思っています。この機会に、勢いで書き続けていたネット上の文章を読み直し、自問自答しながら全て書き直しました。これまでどこにも書いたことのなかった自分自身の経歴なども、真面目に書いてみました。
 また、連載に共感して下さっていたプロのクリエーターの中から、完全に個人のスタンスで創作活動を行い、成功を収めている3名に、実際に会いに行きました。そのインタビューを「ひらきこもり実践編」としてまとめ、追加しました。
 そうしていくうちに不思議なもので、ちょうど本一冊分の分量になりました。めでたし、めでたしです。
 ただ、ここまでの作業をクリアした今、ネット上に毎日行き当たりばったりで書いていた文章については、既に過去のものになっているわけです。
 680円かかりますが、できれば本の方を読んでもらった方がいいなあと思います。
 でも、ネット版『ひらきこもりのすすめ』も、しばらくはこのまま残しておくことにしました。
 ネット上の文章と、本の上の文章を、読み比べて頂くのも一興と思ったからです。
 例えば、プロの物書きがどういうふうに、どれくらい推敲するものか、というサンプルとして参考にして頂けると思います。
 連載中に、ライター志願の方、それも自分のウェッブページ上に文章を書き続けながらチャンスを狙っている人が世の中にはとても多いということを知りました。特にそういう方には、真剣に読み比べてみて頂きたいです。
 個人的な楽しみとしてだらだらと書き続けたような文章でも、ある種のブラッシュアップを施すことによって、本になる。そのコツを感覚的に知ることができるはずです。それだけで、結構簡単に、プロになれるんです。本当ですよ。(渡辺浩弐)

<ネット版『ひらきこもりのすすめ』ページへ。